縮毛矯正の還元剤って何?美容師が知っておきたい知識
そもそも「還元」って何?
縮毛矯正を勉強していると、必ず出てくるのが「還元」という言葉です。
「この薬は還元力が強い」
「還元不足だった」
「還元剤を変えてみる」
美容師ならよく使う言葉ですが、そもそも髪の中では何が起きているのか
できるだけシンプルに考えてみます。
髪の主成分はケラチンというタンパク質です。
そのケラチン同士をつないで、髪の構造を支えているもののひとつに
「ジスルフィド結合(S-S結合)」があります。
シスチン結合と呼ばれるものです。
イメージとしては、髪の中にあるタンパク質同士をつないでいる「橋」のようなものです。
髪の毛の主成分であるケラチンには、
システインといアミノ酸が含まれていてシステイン同士の
硫黄(S)が結びつくと、SーS結合ができます。

この結合が、髪の形を保つことに関わっています。
縮毛矯正の1剤には「還元剤」が入っています。
私がよく使うのはチオグリコール酸システアミン、システアミンなどです。
還元剤が毛髪内部に入り、S-S結合に作用することで、結合の状態が変化します
還元とは、髪のSS結合をゆるめて、
形を変えられる状態にすること
還元=髪を真っ直ぐにすることではありません。
還元剤をつけただけで、縮毛矯正が完成しません。
還元によって髪の内部を動かしやすい状態にして、
還元 → 水洗・処理 → ドライ・アイロン → 酸化
という工程を経て、髪の形を作っていきます。
還元不足と過還元
縮毛矯正では「還元させればさせるほど、クセが伸びる」というわけではありません。
その髪に必要な範囲で還元させることが大切です。
そのバランスが足りなければ「還元不足」、
必要以上に作用させれば「過還元」につながります。
還元不足とは?
還元不足とは、クセを伸ばすために必要なところまで還元が進んでいない状態です。
毛髪内部のS-S結合への作用が十分でないまま次の工程へ進むため、
髪を狙った形へ再配置しにくくなります。
その結果、
- クセが残る
- 根元のうねりが取り切れない
- 乾かすと戻ってしまう
- アイロンで無理に伸ばそうとして、熱の負担が大きくなる
といったことにつながります。
ただし「伸びなかった=必ず還元不足」とは限りません。
薬剤の浸透、軟化・膨潤、アイロン操作、水分量、毛髪履歴など、
縮毛矯正の仕上がりにはさまざまな要因が関係します。
過還元とは?
反対に、必要以上に還元剤を作用させてしまった状態が「過還元」です。
S-S結合への還元作用が必要な範囲を超え、さらにアルカリによる膨潤やタンパク質への負担、熱などが重なることで、毛髪の構造を維持する力が低下していきます。
すると、
- ハリ・コシがなくなる
- 髪が柔らかくなりすぎる
- 弾力が低下する
- 熱ダメージが重なると、いわゆる「ビビり毛」につながる
といったリスクが高くなります。
大切なのは強く還元することではない
縮毛矯正で目指したいのは、
還元不足 ← 適正な還元 → 過還元
この真ん中を狙います。
健康毛とダメージ毛では薬剤選定が違いますし、
同じ人の髪でも根元と毛先では必要な還元量が違います。
「強い薬なら伸びる」ではなく、
その髪に対して、どの程度の還元が必要なのか?
を考えることが大切だと思っています。
そして、この「還元の進み方」を考えるうえで関係してくるのが、
還元剤の種類・濃度・pH・pKaなどです。
次は、そのあたりについて書いていこうと思います☺️
おやすみなさい!!

